関西では鰻を「まむし」ということがありますが、鰻をご飯の間に挟んだものを「まむし丼」ということもあるそうです。江戸前の鰻は調理工程に蒸しがありますが、関西の鰻にはそれがありません。そこで、熱々のご飯の間に挟んで蒸すことになったという説もあるそう。ほんまかどうか分かりませんが一度は食べてみなあかんやろ、ということで、お盆真っ盛りの8月15日でも営業してくれている大阪福島にある「ふな定」に行ってきました。
ふな定 福島庵
http://funasada.com/index.html
場所は「大阪府大阪市福島区福島5丁目12-14」にあります。JR福島駅から徒歩5分程度。緑ののれんが目印。近頃グルメの街として大阪で最も注目されている地域の一つにあります。激戦区を勝ち抜いてきた鰻に期待が高まります。予約をして行ったところお店の前で女将さんが待っていてくれました。暑いのに何とも嬉しいおもてなし、さすが人情の街大阪。
席は1階がカウンターで2階が会席等に使われるお座敷となります。この日は2人で訪れたのですが、2階に案内となりました
さてメニューを拝見。うなぎ丼が1860円からとかなり安く感じます。こちらのお店は紀州備長炭で焼いているということで、その味をこの価格から提供しているところはなかなかありません。「飲んだ後にここで締めるのも大アリだな……」なんて妄想がはかどります。お目当てのまむし丼も発見!
なお、料理の写真も付いています。使われている鰻の数に加えて写真まであるとイメージもしやすい上にお腹と相談しやすくてグッド
一品物のメニューはこちら。色々な鰻料理を楽しみたい場合は定食のチョイスもあり。お刺身など付いておらず、バラエティ豊かな鰻料理ばかりなのが嬉しい
お酒はこんな感じ。生中が600円と鰻店にしてはこちらも良心的な価格
注文を済ませ瓶ビールをちまちま飲みながら待つこと15分程度。遂にやってきました「特上まむし丼」(4250円)。肝吸い(その他、蛤、湯葉の吸い物など選択可能)、香の物が付いてきます。
いやぁ、香りがたまりません。それにしても丸々とふっくらした鰻にびっくり。でっぷりと肥えて、見るからに食べ応えがありそうな鰻です
地焼きらしく外はパリッとしていて中はもちもちと柔らかジューシー。これだけ大きな鰻でこの柔らかさを出せるのは高温の炭火ならでは。タレはあっさり控えめで上品な口当たり。ちなみに肝吸いのダシも上品薄味で木の芽の香りが良い塩梅で、これまたこの鰻に良く合います。関西のゴツゴツこってりした味わいを想像していたのですが、タレ然り、吸い物然り繊細な味に驚きました。
さてご飯の中にはこのように鰻が……熱々のご飯で良い感じに熱が入りこれまた香りが引き立って感じられ二度おいしい。蒸すとまでは行きませんがご飯の上の鰻とはまた違ったホクホクした味わいとなっています。
ちなみに一緒に来てくれた友人は「ふな定定食」(4800円)を注文。蒲焼、うまき、うざく、八幡巻、肝吸い…めっちゃ豪勢なのにこの値段。次回はこれにしても良いなと算段を立てながら、再訪を誓いました。